カブトムシ物語 終章

カブトムシ物語 序章
カブトムシ物語 奇跡
カブトムシ物語 別れ

ちょうど3週間経った9月の12日。

それは突然やってきた。

夜に餌を替えた後、いきなり暴れだした。

それまで元気に梨を吸っていたオスカブトムシ。

ケースから何度も脱走してはひっくり返る。

「なんかおかしい」

「もがいているみたい」

上に上に登ろうとしている。

梨を与えてもゼリーを与えても見向きもせず暴れ歩く。

ネットで調べると、どうやら足に痺れが出ているようなので見てみたら、なるほど、前足が痙攣している。

「死期が近い」

どうすることもできない。

自然に返すか、このままにするか考えた。

今まで蓋をしなかったのは、好きな時にどこに行ってもいいようにするため。

自然に帰りたかったら帰ればいい。

ただ今の状態で自然に返したら、餌になるのは見えていた。

でも、最期は自然の中で迎えたほうがいいのではないかとか色々考えた。

今までしたことのない蓋をしてとりあえず様子を見る。

ずっと暴れている。

とても苦しそう。

かわいそう…、なんとかしてあげたい…。

ネットでどうにか出来ないか調べたが、いい答えは見つからなかった。

結局私達はそのまま様子を見ることにした。

その日は一晩中暴れている音が聞こえていた。

次の日には死んでいるかもしれないという不安にかられながら眠りについた。

9月13日

朝、相変わらず暴れ歩いている。

安心した反面、ずっと暴れていたのかと思うとかわいそうに思った。

餌を食べた形跡もない。

暴れ疲れてしまわないだろうか…。

しばらくすると突然音がなくなった。

「やっと落ち着いたか」と思って、家事が一段落したら餌を替えようと思っていた。

蓋を開けた。

ぴくりとも動かない…。

天寿を全うした。

最期を看取れなかったという悔しさで涙が溢れた。

さっきまで、ついさっきまで、生きていたのに…。

なんでだろう、メスがいなくなった時は諦めついたけど、なんかすごく悲しい。

「楽しい思い出をありがとう」

我が家に来て3週間と半日。

最近寒くなってきたし、よく頑張って生きた方だと思う。

カブトムシを救出したあの日、こんな壮大な物語になるなんて思っていなかった。

うちに来てくれた奇跡、本当にありがとう。

カブトムシでこんなに悲しくなるから、私、生き物飼えない…と強く思ったのでした。

2014-08-27 14.15.39

旦那曰く、こんな贅沢な余生を送れてカブトムシも幸せだったんじゃないか、と。

大好きな梨を食べて、可愛い嫁さんが向こうから来て、暇さえあればまた梨を食べて…。

その言葉に少し救われた。

もう梨の皮を取っておく必要がなくなったのがなんか悲しい。

最後に

しょうもないブログに付き合ってくださってありがとうございます。
「物語」なんてありますが、全てノンフィクションです。

ちなみに、旦那は凹んでいる私を見て爆笑(;´Д`)
そのうち埋めに行こうとしてますが、とりあえず死化粧というかカブトムシにリボンを巻いて、ケースに置いています。そのうちバタバタと足を動かしそうで、死んでいるようには見えません。

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