好きな事を好きなように好きなだけやれば、良いように事が動く。
結果は後からついてくる。
そんなことをカブトムシは身を挺して教えてくれた…。
そんな話を聞いた友人はカブトムシゼリーが余っているからと私に分けてくれた。
つくづく運が良いカブトムシ。
この小さな幸せが続くといいなぁ…。
なんて思っていた矢先。
別れは突然やってくる。
メスが来てから一週間経ったある日。
突然メスがいなくなる。
本当に突然。
ほんの数分前まで確認していたのに…。
もともとケースにいようとせず、脱走しては色んな所を歩いていたメス。
どうやらたまごを産む場所を探していたようなんだけど…。
プランターに顔を突っ込んでいた、なんてこともあった。
いくら探してもいない。
「旅立ったか…」
“序章”でも書いたが、カブトムシを入れているケースに蓋をしていない。
いつでもどこにでも行ける。
別れがいずれ来ることは分かっていたが、やはり寂しかった。
両隣の家は子供がいるので、そこに行っていないといいなぁ…。
しかしその願いは叶わなかった。
いなくなった次の日の夕方、お隣さんから声が聞こえた。
母「カブトムシがいるっ!虫カゴ持ってきてっ!!」
子「メスだ〜」
…最悪だ。
捕まってしまったっ!
よっぽど声をかけようかと思った。
うちにいたカブトムシで、たまご産むと思うので、大切に育ててください、と。
別に返して欲しいわけではない。
大切に育ててくれればそれでいい。
変人に思われても嫌だったので声はかけられなかった。
一人寂しく残ってしまったオス。
そんなの気にせず美味しそうに梨を食べてる…。
オスのお気に入りは梨の芯。
抱きかかえるように食べている時もあれば、足をバタバタしながら食べていたりする時もある。
未だかつてこんなに美味しそうに食べるカブトムシを見たことがない。
昔飼っていたカブトムシはすぐに弱ってしまったのに、このカブトムシはずっと元気が良い。
親戚から梨がたくさん届き、梨好きの私は毎日のように梨を食べるので、皮を冷蔵庫に保管し、多い時で5回餌を替える。
餌を替える度にケースを水洗いし、虫がわかないよう細心の注意を払っている。
清潔を心がけている。
これが正解かは分からないけど、結果これでカブトムシはずっと元気だ。
オスカブトムシが来てもう3週間。
またメスが来ないかな、という奇跡を信じて、今日も元気にオスカブトムシは美味しそうに梨の芯に足をばたつかせながら吸い付いている。
続く
